病院へ③。
2026年3月13日(金)。
救急外来の待合スペースで兄と待っていると、名前が呼ばれた。 診察室へ入ると、ドクターから、母の今日の体調や発見時の様子、既往歴、かかりつけ医、私たちとの関係等を順に聴かれた。
話をしている間、母は奥で様々な検査や処置をしていたようだ。
そのとき 「出血があります!』という大きな声が奥の部屋から聞こえてきた。 その声を受け、ドクターは 「脳出血と思われます。詳しいことは、脳外科から説明があります。現在、緊急オペ中なので、少しお待ちくださいね。』 と伝えてくれた。
しばらく緊急外来スペースで待っていると、再び呼ばれ、母の元へ案内された。 母は普段の元気な母とはまるで別人のように、渋い表情のまま眠っていた。 声を掛けても目を開けることがない。大丈夫なのだろうか…不安がさらに大きくなる。
母の横で、ドクターが状況を説明してくれた。 「視床という部位に出血があります。視床は手術ができる場所ではありません。現在、血圧が高いため(230/135)点滴で血圧を下げながら止血の処置を行っています。視床出血は、さまざまな後遺症が出ることがあります。人によって異なりますが…。』
点滴で血圧を下げ、止血する以外にできることはないのだろうか。母に後遺症は残るのか。 もし残るとしたら、どんなものなのか。
身体から力が抜け、胸の奥が黒く沈んでいくような気がした。兄と私は、母とモニターを見つめながら、病棟へ移動するのを静かに待った…。

